最近ニュースになった、婚活サイト・マンション詐欺事件に対し、私も激しく憤り、心を痛めております。
私は、騙す側の騙す生き方を選択した理由や、これまでの生き様について、何も知りません。
多分ですが、元々の本人の気質だけでなく、環境的にも充分な愛情を与えられず、道徳心も育たないような境遇で生きてきたのでしょう。
しかし、負の連鎖を助長させる行為は、絶対に当人をも幸せな方向へは導きません。
たった一人のお相手を見つけるために懸命にお相手探しを頑張っている男女につけ込み、言葉巧みにだまし、心を踏みにじり、物理的にも精神的にも大きな大きな傷を負わせる…
そんな行為が出来てしまっている限り、騙している人自身も、絶対に幸せになれません。そういった人は、お金の為に他人を騙し傷つけられる人としか関われず、感覚が麻痺してどんどん深みに嵌っていくと思います。気が付いた時には当初考えていた以上に人の道から外れてしまい、結果、自身が想像する以上の応報を受けることになるでしょう。
騙そうとする人がいなくなれば、当然被害に遭う方もいなくなります。
こんな悲惨な事件などきれいさっぱり無くなってしまうことを願いますが、現実的にはそれは難しいと思います。
このような事件にあなたが決して巻き込まれぬよう、事件の概要をお伝えした上で、被害に遭わない為に気を付けたいポイントについて持論を展開したいと思います。
婚活サイト詐欺、投資用マンション販売事件の概要
事件は、4~5年前から起きていたそうですが、取り沙汰されるようになってきたのは、2013年の秋頃からとのことです。
被害に遭われた婚活中の女性は、30代後半~40代前半の安定した職業の女性が中心で、年収で言いますと500万円程の人だそうです。
男性も被害に遭われていて、年齢で言いますと30代後半以降の方々との話です。
高額なマンションを売るのが目的ですので、ローンの審査に通り易そうな安定した収入の人というのが、ターゲット選びの必須条件となったのかもしれません。
購買させられる物件は千万単位の物件で、相場の3割~5割増の金額で購入させられたそうです。中には、適性価格から1000万円も上乗せした額で買わされたケースもあったようです。
このような大変高額な詐欺商法がこれ程まかり通っているなんて、にわかには信じがたいです。
が、騙し役は成功報酬という大金を手にするために、緻密に練られた計画を堅実に実行し、非常に巧妙に相手の心理に付け込んでいるようなのです。
婚活マンション詐欺の騙し役の報酬は、一件で50万~60万程度
騙し役は50~60万円の報酬を得る為に、以下のような流れで相手の心を掴んでいくそうです。
- 真面目な有料婚活サイトに登録し、標的受けを狙ったプロフィール(詐称あり)を作成し公開
- 収入などターゲットとするための条件を満たしている人を選んでアプローチ
- 1日1回以上、異性の心をくすぐる内容のメール(褒めたり気遣ったり)を送り、そのマメなやりとりを数日間続ける
- 4,5回デートを重ねる。その間もお相手の人柄に好意や尊敬の念を感じていることをしっかりと伝え、居心地の良い時間を提供する。また、時には自分の意見をはっきり主張をしたり、叱ったりするなど、相手の感情を揺さぶるようなテクニックも駆使。
こうしてしっかりと相手に恋愛感情を植え付けてから、こと(騙し)に及ぶそうです。
販売役は別の人が担当
更に、マンションの販売をするのは、この婚活者役の人ではありません。
婚活中の男性役の人は、
「今後の二人のライフプランについても話し合わなきゃね。自分たちの将来のために、資産をもたない?」
といったような誘い文句で、これらに精通していると言う「友人」や「上司」を紹介します。
「友人役」「上司役」は、実際よりも利回りの良い収支予想を見せながら、「リスクがない」「これは特別なお買い得物件」といった話をして、標的の人の購買意欲を盛り上げて行きます。
物件を勧めてくるのは、将来自分の夫or妻になってほしいと思っている人の上司や友人です。
言葉巧みな勧誘に加え、断れば相手との関係が悪くなり結婚出来なくなるかもしれない、将来の夫or妻の面目を潰してしまうかもしれないといった危惧もあり、結果的に契約書類に判子を押してしまう…そういった人が、ここ4~5年で600人以上もいたそうです。
騙し役はどんな人だったか
30代後半~40代の婚活中の女性を狙った男は、彼女達よりも10歳以上年下でイケメンの男性だったそうです。
また、女性が将来に安心感を覚えるような安定した職業を名乗っていたそうです。
ターゲットにされるのは女性ばかりではありません。
30代後半の男性を狙うのは20代前半の女性だそうです。ニュースで被害男性が、「それほど美人というわけではなかった」と話していましたが、容姿レベルは決して低くはなかったのではないかと想像します。
男性が騙し役の女に「何故自分に興味を持ったのか」と聞くと、「次に付き合った人と結婚したいと思っている。あなたは真面目そうだったから」と言ったそうです
婚活市場価値という一点だけで見てしまうならば、騙し役として動いていた人は、年齢、容姿、(設定上の)職業や年収等、人気の高いスペックだったと言えそうです。
詐欺事件の裏にときめきセンサーあり
これまでに婚活でなかなか出会えなかったような魅力的な異性が、自分を慕い、好意を示し、誠意ある対応をしてくれる。
この状況にときめかない人はいないと思います。
つらいことも少なくない婚活戦争の中でこのような出会いを果たしてしまったら、頭のどこかで「こんなことがあるのかな」と思いながらも、この相手のことを信じ、将来を考えたくなる気持ちはよくわかる気がします。
冷静に考えれば、
「結婚どころか婚約も正式に交わしていないのに、投資マンションを勧めて来るなんてありえなくない?明らかに怪しいだろ」
と思えるものですが、
婚活者役が物件に詳しい友人の話を持ち出す頃には、標的とされた人の頭の中ではドーパミンが大量分泌され、同時に扁桃核が休業状態になっています。
適切な判断がし難い状態になっているのです。
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婚活者役の人との将来が無くなることがとても怖く感じてしまうこと、
怪しいとどこかで思いながらも自分が好きになった人のことを信じたいと強く願ってしまう心、
これらが理性に蓋をして、すべき判断を狂わせてしまったのでは、と私は想像します。
婚活でマンション詐欺等に遭わない為の、相手の見極めポイント
- 顔写真を全体公開していて、且つなかなか雰囲気が良い。もしくはイケメン、美女
- 婚活市場価値的に高スペック(年齢や年収、職業等)
- 結婚観・ライフスタイルに於いて、一般的にマイナスポイントと思われる部分がほぼ無い
- 実際に会ってみても、「なんでこんな素敵な人が婚活しているんだろう」「なんで自分を選んだんだろう」と感じるような相手だった
- 一緒にいると、とても居心地が良い。
上記条件をほぼ満たしていて且つ、
- 結婚前提のお付き合いに進む前の段階で、知り合いを紹介される
- 正式に婚約をする前の段階で、「二人の将来の為」と、何らかの勧誘をしてくる
といった事があれば、慎重な見極めが必要であると、私は考えます。
あれ?この人もしかして…と思った時の対処法
- 疑わしき人物の会員名や会員番号でインターネット検索する。何も出てこない場合は、サイト名+地域や年齢+性別+詐欺、もしくはプロフィール文のみを一部コピーし再検索
- 勧誘された際に、「○○さんのことは信用しているけど、叔父が警察の割と偉い人で、万が一の時に迷惑がかかるから、人から進められて高額な支払いの契約をする時は、先に伝える約束になっているの。まずは一言報告しておくね」と言って、スマホにメールを打ち込んで送信するフリをする。
- 「二人の将来の為なんだよね、わかった。マンション購入なんてかなり勇気がいる決断だけど、君orあなたを信頼して、友人or先輩の勧めを受けることにする。でも、二人の将来の為にまず必要なのは、これを届け出ることだと思うんだ」と、白紙の入籍届を差し出す。
判を押す前に、上記をお試しいただきたいと思います。
最後に-実際に使われた(ている)婚活サイトはどこだったのか
婚活サイトを利用されている方のほとんどが、まじめに結婚を考えて利用されているのだと思います。
私も婚活サイトでお相手探しを頑張ってらっしゃる方から何度も相談を受けてきました。相談後、嬉しい報告も頂いてきました。
また、私自身も婚活サイトで出会った人と結婚に至りました。
今、幸せな毎日を過ごしていますので、婚活サイトは結婚を考えている方にとってとても有益なツールであると、身を持って体感しています。
一方で、残念ながら、婚活サイトはどのサイトであっても、詐称や悪意を持った入会が不可能ではありません。
被害に遭われた方が利用していらした婚活サイトは、身分証の提出が必要で、数万人単位の会員を抱えているような、名のある有料婚活サイトでした。
私はいくつかそのサイトを把握していますが、ここで実名を公表したところで、ただいたずらに風評被害を助長させるだけだと思いますので、実名は公開はしないでおこうと思います。
先述した見極めポイントを、心に留めつつ、柔軟にお相手探しをして頂けたらと思います。
ネット婚活がどうしても怖い方には、結婚相談所がおすすめです
ネット婚活にどうしても不安がある方には、結婚相談所の利用をおすすめします。
例えばオーネットですと、入会時に身分証、独身証明書、卒業証明書、社員証明(社員証や保険証)が必要です。
ツヴァイでは、独身証明書、卒業証明書、収入証明書(給与明細・源泉徴収票等)が必要です。
また、入会にはそれなりの金額が必要である点、紹介のメインは相互マッチで月の上限数が決まっている事からも、詐欺をするにも効率が悪く、やりにくい土壌であると言えます。
ご参考:業界最大手の2大結婚相談所のご紹介
オーネット、ツヴァイについて婚活サポーターの視点で解説している記事はこちらです。参考になれば幸いです。