「ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた 」。
この本は、異性に「居心地が良い人だ」と感じてもらうためのヒントがたくさん書かれています。
著者はアメリカの有名な心理学者、ジョン・グレイ博士。男女の人間関係を良好に保つための秘訣が書かれた本を多数執筆されている方です。
もしあなたが、
- 自分が良かれと思ってしたことで、恋人を不機嫌にさせた経験が何度かあった
- 過去の恋愛の中に、相手との関係が壊れた原因が何であったか、わからず終いのものがある
- 交際相手や結婚相手と相思相愛でい続けられる自信がない
- 正直、異性の気持ちも、何を考えているのかも全然わからない
これらに思い当たる節をお持ちでしたら、この本はあなたの婚活、ひいては結婚生活に、多大な貢献をすることでしょう。
「ベスト・パートナーになるために」の内容を要約すると?
「ベスト・パートナーになるために」の内容を簡単にまとめますと、「愛を与えたい、受け止めたいと思うなら、男女間に存在する価値観の溝を学ぶ必要がある」ことを、丁寧にわかりやすく解説している本だと言えます。
博士によりますと、
男性と女性は、物の感じ方・考え方が根本から違う
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なのでそれぞれが伝えたり受け止めている思いや考えは、実際は意図したところと全然違う着地をしている。
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そのため「愛情ありき」でしていることでも、時に相手を傷つけ苛立たせ、愛を冷ます結果を招いてしまう。
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この事実を認識し異性との感じ方の差異を理解しよう、そして異性が愛情を深く実感できるようなリアクションをしていこう、
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そうすれば、男性と女性は互いの心を深く満たし合え、素晴らしい関係を築くことが出来る。
とのこと。
つまり「ベスト・パートナーになるために」は、異性の心を満たし、衝突やストレスの少ない時間を提供できる人となるための教本と言えます。
…頑張ってまとめてみましたが、「意図したところと全然違う着地」の部分が特に伝わり切れていないように思いますので、本から例を引用して具体的にお伝えしたいと思います。
ジョン・グレイ博士が説く男女の差異の具体例
例えば、女性が恋人に、
「どこか行きましょうよ、私たちちっとも外出していないじゃない」
と言った時、女性は下記のような気持ちで言っていると、博士は言います。
「あなたと二人で外出して一緒に何かしたいわ。私たちはいつも一緒にそういう楽しい時間を過ごして来たじゃない。そういう時の私は本当に幸せなのよ。あなたと出会えて良かったとしみじみと感じるの。あなたはどう?私を夕食に連れて行ってくれないかしら?もう何日も外出していないじゃない、お願いよ」
しかし男性はこれをそうは受け取れず、下記のように翻訳してしまうと博士は言います。
「あなたは私に対する義務を果たしていないわ。本当にがっかりよ。絶望的な人ね。もう私と一緒に何かしようという気持ちは無いのね。きっと、夢をなくしてしまったのよ。私に飽きてしまったのよ」
そして、男性は彼女に下記のように答えるそうです。
「嘘を言うなよ、先週でかけたばかりじゃないか」
一方、男性に何か難しそうな問題が起きた時、恋人には、
「別に…大丈夫」
という態度をとり、心の内をさらけ出すことはまずしません。男性のこの発言の裏には、下記のような気持ちがあると博士は説いています。
「僕は大丈夫だよ、自分一人でこの状況を切り抜けるさ。心配も助けも必要ないよ、どうもありがとう」
しかし女性はそうは受け取れません。女性は男性がこのような態度に出ると、
「僕は別にどうなってもかまわないから、全然気にもしてないよ。だいいち、君なんかに僕の気持ちをわかってもらいたくない、君のことなんか頼りにしていないからね」
といったように翻訳してしまいがちです。
このように比較すると、なんとチグハグなやりとりをしているのだろう、とお感じになるかと思います。
しかし現実に、多くの男女がこのようなすれ違ったやりとりを、そうとは気付けずにしているのだと博士は言います。
「ベスト・パートナーになるために」を読むことで得られる知識
このような擦れ違いから不毛な衝突を無くすための沢山の知恵を、この本が授けてくれます。
- 男性と女性の根本的な「感じ方の違い」「考えの違い」
- やってしまいがちな温度冷却アクション
- 男女それぞれの押さえておくべき特性
- ありがちな誤訳と正しい翻訳の例
- 女性が愛を深く実感できるアプローチの仕方
- 男性が愛を深く実感できる対処法
- 男女の愛をさらに強める心理法則
このような内容に迫っています。どのステップでも、ただ「こういうものであるからそれを理解しましょう」では終わらず、先述の引用のように、具体例や対応策を複数挙げてくれています。
異性の気持ちを正しく受け止め、相手が望む形で愛情を返せる人こそが、「一緒に居て心地の良い異性」であると私は考えます。この本を読むことで、あなたは一つ一つ段階を確実に踏みながら、異性の気持ちが分かる人へとレベルアップしていけることでしょう。
最後に、私が「ベスト・パートナーになるために」から得た学びについて
「ベスト・パートナーになるために」は私に、「言葉は万能ではなく、100%意図したように伝わることなどまずない、非常にあいまいなコミュニケーションツールである」ことを再認識させてくれました。
「言葉の力を信じすぎない」
そのきっかけをもらえた気がします。目に見えないものを大事にしろ、というのは安直かもしれませんが、「言葉以外にも愛情を示す手段が沢山ある」という教訓は、今も私に多くのものを与えてくれている気がします。