今回は、結婚後「仕事」と「家庭」をそれぞれが片方ずつ担う場合についてのメリットについてお話しします。
前回の記事、専業主婦を擁するデメリットで、「一馬力」家庭の留意点として、
- リスクヘッジが出来ない
- 稼ぎ手側に精神的重圧がのしかかる
- 共稼ぎの場合と比べて趣味や好きな事に使えるお金がぐっと少なくなる
- 専業主婦は社会的充足感を得ることが困難
- 専業主婦(夫)のお小遣いはかなり少ないのが現状
といったことを挙げました。
その一方で一馬力世帯は、夫婦どちらの生活満足度も、「共稼ぎ正社員夫婦」同様に高いという調査結果があります。(ソース:内閣府の若年意識調査)
専業主婦家庭のメリット。生活満足度が高くなる理由4つ
数々のデメリットがあるにも関わらず、専業主婦(夫)を抱える家庭の多くで、ストレスの少ない毎日を送っているという現実を考えていきたいと思います。
一馬力家庭のどのような点が、その満足度を支えているのでしょうか。
専業主婦(夫)のいる家庭のメリットを見ていきましょう。
稼ぎ手側は仕事に、専業主婦側は家庭に集中することができる
それぞれが各々の役割を一手に引き受けることで、相手に任せている部分には一切干渉せずに済む――この点はとてもストレスフリーであると考えられます。
専業主婦は外で働かなくて良いですし、稼ぎ手は家では何もしなくて良いのです。
家事レベルの差や分担具合でいさかいが起きることもありません。
稼ぎ手側は家ではお殿様でいられる
稼ぎ手は家で自分の手を煩わせることなく、常に清潔で整頓された家庭環境で過ごすことが出来ます。栄養バランスの考慮された1汁3菜の食事が提供され、「喉が渇いた」と言えば、氷の入った冷たい飲み物がお盆に乗って運ばれてきます。
衣服にはアイロンがかけられていて、通勤用の靴は磨かれてピカピカです。
また、多少だらしなくても許されます。
食べたお菓子の空袋や脱ぎっぱなしの靴下を放置していても、文句を言われず片してもらえるのが大黒柱です。多分。
更に、趣味に没頭し続け伴侶をおざなりにすることがあっても、ある程度は許してもらえます。
伴侶は「平日は頑張って働いてくれてるんだから、休日位は羽をのばしてもらわなきゃ」と思い、あなたの一人の時間を尊重してくれるはずです。余程ひどくない限りはですが。
他に、育児にそこまで協力的でなくても、さほど伴侶の不満は溜まりません。
もし毎日子供をお風呂に入れようものなら、
「会社という戦場で今日も頑張って来てくれて疲れているはずなのに・・・!なんて素敵なご主人様!!」
と、涙を流して感謝されることでしょう。多分。
稼ぎ手側は、幸福感をより満たすことができる
どこかの偉い学者さんは、人が幸せを感じるには、生理的・安全的欲求を満たすだけでなく、社会と関わりたいという欲求、認められたい、尊敬されたいという欲求も満たされる必要があると説いています。
稼ぎ手は、家族の行く末が自身の稼ぎに懸かっているという精神的重圧がある反面、パートナーと子供が幸せな日々を送れているのは自分の頑張りがあってこそだ、という実感が、高次的欲求を満たすことに繋がり、家族に感謝されることでより幸福感を感じることが出来るそうです。
自立した家庭を築ける
子供が生まれた後、共稼ぎであれば、どうしてもどちらかの両親に頼らざるを得ない状況が多々出てきます。
けれど専業主婦(夫)であれば、子供に万全のサポートが出来ますので、それぞれの親に頼らずに2人で家庭を築くことができます。
頼らないということは、干渉も受けづらいということです(毒親でないこと前提ですが)。
教育方針や家の購入などに関しても、基本は夫婦2人で考え、実行することができるでしょう。
子育てがしっかりできる、子供のサポートが十分にできる。
子供を預ける必要がないので、人任せにせずに子供を育てることができます。
幼少期に、親が愛情と責任を持って沢山の時間を一緒に過ごすことは、決してマイナスにはならないのではないでしょうか。
また、子供の教育に力を入れることもできます。
学歴が全てではありませんが、東大などの一流大学の学生の親は、母親が専業主婦の場合が多いそうです。
私立中学の受験のドキュメントを見ていても、母親のサポートあっての合格のように感じました。
スポーツや芸術方面で上を目指す場合も、親の充分なサポートがなければ難しいようです。大前提でまとまったお金も必要ですが。
専業主婦(夫)は、時間や心にゆとりが持てる
共稼ぎの夫婦に比べると、自分でやりくりできる時間が圧倒的に多いのが、専業主婦(夫)のメリットです。
時間の余裕は、精神的な安定にも繋がります。
専業主婦(夫)は、他者からのストレスを受けにくい
モラハラな上司や、陰険な先輩、過干渉な同僚・・・
人間関係のしがらみに心を乱されることが少なくなります。
夫と子供との関係が良好であれば、他人との関わりをほぼ持たずとも生きていけるのが、専業主婦(夫)の強みかもしれません。
専業主婦家庭の総括
「『家』は、 穏やかで落ち着ける場であってほしい。安らぎの場であってほしい」
あなたに安定した収入があり、家庭に癒しを求めるのであれば、一馬力家庭の選択は必須といえると思います。
自分が大黒柱となり、勤務時間内は死闘を繰り広げる代わりに、それ以外の時間は、いたれりつくせりの時間となるでしょう。
ただし、生活の維持を考えると、リスク管理が必要です。ざっくばらんに申し上げると、「保険は大事だよー」ということです。
あなたが専業主婦(夫)になることを希望する場合、常に稼ぎ手である伴侶を第一に考えねばなりません。子供より、伴侶です。
伴侶<子供<自分 位の気持ちで日々生きないと、満足度の高い夫婦生活は続いていかないと思います。
あなたは時間に束縛されない人生を手に入れますが、お金にかなり気を使う人生となるかもしれません。
お財布の紐を握ろうと握られようとです。自分に収入の無い毎日は、想像以上に窮屈かもしれません。
そして、仕事や家族を養うことで社会的充足感を感じている伴侶を目の当たりにして、あなたは自分の価値を見失いそうになることがあるかもしれません。
専業主婦家庭で多くのメリットを享受できる人
一馬力の家庭で上手く行く夫婦は、それぞれが
- 趣味や美容にお金がかからない
- 家が大好きである
- 仕事、家事、それぞれの役割に集中して打ち込みたい
といった特徴を持つもの同士のカップルであると思います。
一馬力家庭が上手くいくベストカップルは、
結婚しても仕事でバリバリ活躍し続けたい人 × 怠け者ではないけれど、社会に出て沢山の人と関わるのが得意でない人
だと考えられます。
逆に専業主婦家庭をお勧めできないのは、
- 趣味に沢山のお金を使いたい人
- 毎年複数回旅行をしたい人
- 子供を持つ予定がない人 互いの満足度のバランスが上手く取れなくなる場合が多いです。
- 子供が嫌いな人(専業主婦側)自分の子供は良かったとしても、子育て時代のママ子付き合いが地獄と化します。
- 自分を律するのが苦手で、怠けがちな人(専業主婦側)落ちるところまで落ちていきます、そして離別
以上の方は、結婚後一馬力家庭を選ぶと、後悔なさると思います。
今回は以上です。
次回は、共働きは家事も子育ても大変!夫婦がフルタイムで働くデメリットをお送りします。
頑張りましょう!