今回は、「共稼ぎ―夫婦がフルタイム正社員の場合のデメリット」と題しまして、
結婚後、夫婦が「仕事」と「家庭」の両方を、分担して請け負う場合についてのデメリットについてお話しします。
まずは、フルタイムの共稼ぎがもたらす最大のデメリットについてお話しします。
それは、
「家はのんびりくつろぐための場所」という認識ではいられないことです。
フルタイム共働き家庭は仕事に家事に育児にてんてこ舞い
共働きの場合、長時間労働を終えて家に戻ったら家事が待っています。
黙って座っていても食事は運ばれてきません。
お風呂掃除をしてからでないと湯船には浸かれません。
「自分の事は自分でする」が基本です。
通勤用の靴は自分で磨きます。
洋服のアイロンがけも自分でします。
トイレットペーパー等、日用品が切れそうになったら気づいた方が買ってきます。
仕事着のスーツやシャツは、自分で管理することとなるでしょう。
クリーニング屋さんを利用するなら、出すのも受け取るのも自分です。
そして毎週、休日の一定の時間が、家の掃除や洗濯のまとめ洗いで潰れます。
また、食べ終えたお菓子の空袋をいつまでもリビングのテーブルに放置しておけば、伴侶に「ゴミは捨てる!」と勧告を受けます。
脱いだ靴下を放置していたら、「こういうのやめて。早く洗濯かごに入れて来てよ」とかなり強めの勧告を受けます。
共働きの場合、結婚後の家事労働は増えることはあっても減ることはない
基本的に、家事労働は独身時代よりも増えると考えておかれた方が良いと思います。
なぜ増えるのか、ですが、
結婚後は、2人の生活ですので、独身時代の自分のライフスタイルを踏襲することはまず不可能となるからです。
掃除機なんて極たまにしかかけていなかったという人や、布団カバーやシーツを洗ったことがほとんどない人も、結婚後はある程度の一般常識に沿って、家庭内環境を維持する必要が出てきます。
相手のライフスタイルによっては、より負担が増えたと感じる可能性があります。
例えば、一枚のバスタオルを2日にわたって使う人が、1日で2枚のバスタオルを消費する人と結婚すれば、洗濯機を回す回数だって増えてしまいます。
ちょっとしたことに思えるかもしれませんが、このような負担が他の場面でも少しずつ積もってかなりの負担となる場合もあるのです。
そして一番大変なのが、料理です。
余程収入に余裕があったり、食環境に拘らない同士でない限り、独身時代と比べて自炊の回数は増えることでしょう。
料理は月々の予算内で上手に献立を考え、買い出しをし、調理し、片付けるという一大家事労働となります。
中には、「共稼ぎであっても料理だけは相手に全て任せたい」と考えている人もいるようですが、料理は頭も体も使わねばならない大変な重労働です。
料理を全て任せたいなら、料理を担当しない側は、他の家事は全部引き受ける位の気持ちでないと、バランスが取れないかもしれません。
そんなことはないだろう、と思われる方は、是非こちらの記事を実践下さい。
フルタイム共働きの家庭環境は常にいっぱいいっぱい
このように、家事にわずらわしい思いをするのが共稼ぎのデメリットですが、
わずらわしい思いをする割に、なかなか室内環境の美化が行き届かないのが現実のようです。
どの部屋も整理整頓されずごちゃごちゃしていたり、
洗った洗濯物がそこら辺に転がったまま平日が過ぎていくお宅もあるようです。
また、どちらかの仕事が忙しくなると、時間がすれ違ってしまうことも少なくないようです。
そのすれ違いがコミュニケーション不足を招き、心のすれ違いに発展して、家庭不和に繋がる場合もあるようです。
それでも子供を作る予定が無い場合は、金銭的な余裕もあって、上手くやっていけるかもしれません。
問題は、子供を生み、育てる場合です。
子育て中の正社員母の苦悩
フルタイムで働きながらながらの子育ては、特に母親にとっては、ストレスと後ろめたさとの死闘の日々のようです。
平日は我が子に寂しい思いをさせていることを心苦しく感じながら働き、週末は溜まった家事を消化しながら子供の世話をする。
子供も可愛いだけではありません。それはそれは手がかかります。特に幼少期は戦争です。
また、互いがフルタイム正社員の場合、育休明け後の生活は、まず2人だけでは乗り切れません。
子供は簡単に熱を出したり、病気になったりします。他にどんなアクシデントを起こすかもわかりません。
何かあった際には、どちらかの両親に頼らざるを得なくなります。
頼った先の人間関係が良好な場合は問題ありませんが、そうでない場合は更にストレスが大きくなります。
現実として、フルタイムの共稼ぎであっても、母親に育児の負担が集中してしまうようです。
保育園の送り迎えや急な発熱での引き取り等、妻ばかりが子供のフォローをし、会社で肩身が狭い思いをすることもまだまだ多いようです。
あなたが男性で、ここまでの話を聞いて、
「じゃ、妻は出産後は正社員をやめてもらって、パートに出ればいいのか」
とお感じになったとしたら、
それは、最悪な選択だと心得て下さい。
そもそも小さな子供を持つ母親が簡単にパートの仕事を得られると思うこと自体が問題ですが、
もし運よくパートの仕事に就けたとしても、妻のストレスが過去最高にまで達することを覚悟せねばなりません。
妻がパートの仕事をするとなると、当然のように、家事労働の8割以上は、妻が負担することとなるようです。
収入の程度から言えば理に適っているように思えますが、
家事労働を一気に背負わされ、低賃金のやりがいの少ない単純労働と、なかなか思うようにいかない子育ての日々に、間違いなく妻の幸福度は激減します。
あなたが伴侶にパートを勧める場合、本人のお小遣い稼ぎとしてしてもらうなら良いかもしれません。
が、「家計の足し」目的で勧めるとしたら、彼女ないし彼の幸福度を下げない為に、あなた自身がそれまで以上に家族貢献しなければならないことを覚悟して頂きたいと思います。
…結論的には、共働き夫婦が家事を公平に負担し合えない場合も、ワークスタイルは変えずに、家事代行サービスなどを利用して負担の偏るのを防ぐのが良いのかもしれません。
家事代行はまだまだ一般的ではありませんが、互いの幸福度の減少を防ぐリアルな手段である気がします。
参考までに家事代行社をいくつか調べてみましたが、1時間3000円~6000円が相場のようです。週1、2回の利用でくつろぎの時間と空間、心の余裕が手に入るなら、高くはないのかもしれません。
最後に
共稼ぎ希望の伴侶を探す場合の注意点を一つ申し上げます。
もしあなたが転勤の可能性がある上で共稼ぎのお相手を探している場合は、一旦胸に手を当てて、考えて頂きたいです。
あなたは、仕事に生き甲斐を感じている相手と結婚して、その方を幸せにできますでしょうか。
結婚後、遠方への転勤が決まった場合、どちらかが仕事を辞めるか、別居婚をするかの2択になると思います。
「自分は絶対に仕事を辞めないし、別居婚も絶対に嫌だ」という方は、ご自身の転勤が決まった時、相手の仕事を辞めさせることになると思います。
「転勤先でパートをすれば良いだろう」と何となく思っているのではあまりにも自分本位です。
それでは今回はここまでです。
次回は共稼ぎの結婚生活のメリットについて、お話ししますね。