今回は、オーネットで出会った3歳年下のDさん(仮称)との一部始終についてお話しします。
Dさんプロフィール(当時)
出会いのきっかけ:オーネット初度紹介
年齢:25歳
学歴:四大学卒
職業:食品会社の営業職
年収:420万円
婚姻歴:初婚
居住地:東京24区
身長:170cm
体重:多分56kg位
血液型:O型
メールから受けた印象:営業職的なハツラツとした雰囲気
メール頻度:3往復でアポイント
趣味:映画鑑賞・散歩
(私がオーネットで出会った男性全員のプロフィールについて紹介しております記事はこちら)
Dさんとのメッセージのやりとりについて
Dさんのメールは、簡潔でハキハキとしていて、明るい印象でした。
前日には、
「お店、こちらを予約しておきました(→URL)。昨日四国に出張があって、お土産買ってきたので持っていきますね^^、ではでは明日はよろしくお願いします!!」
といったメールをくださり、なんだか漫画に出てくる若手の営業さんみたいだな、と感じました。
営業職の方は出会いの場でも営業さん
婚活中、営業職の方とご縁があった際、「ああ、営業のお仕事されてる方らしいなぁ」と感じることが多かったです。
お客さんに対するかのような、礼節のある立ち居振る舞い、余裕を感じるスマート対応。配慮をありがたく感じる一方、それが必ずしも女心に嬉しかったかと言うと、正直その限りでもありませんでした。
初対面での応対に仕事感、慣れてる感が見えてしまうと、「婚活デートを数さばいてる」と見られてしまうケースもあるのかな、と思った次第です。(単に私への期待値が高くなかったせいかもしれません)
Dさんとのデート
Dさんとは計3回デートをしました。
1回目のデート:新宿でランチ
Dさんは待ち合わせ場所に5分前に着いた私を出迎えて下さりました。
駅近ビルの上階にあるお店を予約下さっていて、広い窓がある掘りごたつの個室で一緒に和食を食べました。
食事をとりながら、映画はどんなジャンルや作品が好きかといった趣味の話を中心に、和やかな時間を過ごしました。
Dさんはメッセージ上ではハツラツとした方でした(笑顔の顔文字やビックリマークを良く使ってらっしゃいました)が、実際に会ってみると、とても落ち着いた方でした。
感情があまり表に出ない方で、少し驚くくらいのギャップがありました。
けれどもこちらのアクションに対し無反応というわけではなく、きちんと受け止めて、リアクションをしてくださいました。
また、表情は薄いけれども、会話が苦手なわけではないようで、私が興味を持っているような話題を振って下さったりもしました。
25歳という若さで婚活をしている理由について、「兄に子供が生まれてすごく可愛くて、自分も早く結婚したいと思った」とおっしゃいました。
少し考えながら、言葉を選んでお話される様子に、真面目さが色濃く出ていました。
2時間弱のランチタイムを終えて、別れ際、「また会ってもらえませんか?」と言われ、私は笑顔で「ありがとうございます。是非」と答えました。
1回目のデート後のメールのやり取りについて
当日に、私からお礼のメールを送りました。
その返しに、「次回は映画に行きましょう」とお誘いを受け、乗っかる文を簡潔に返しました。
その3日後、次週のお誘いを頂きました。
2回目のデート:映画鑑賞
新宿で平日夜にアクション映画を観ました。
Dさんが予約をして下さっていて、見やすい席で楽しむことが出来ました。
その後、近くのパスタ屋さんで夕食をご一緒しながら会話を楽しみました。
Dさんが最近転職したばかりで今の環境に恵まれていると感じていることなど、お仕事についての話を色々と伺いました。
デートの最後に、前回に続いてまたもやお土産を頂きました。
「荷物になると思ったから、最後に渡そうと思って」
若いのに配慮の人だな、と驚きました。
お店を出たところでDさんが、「次はどこへ行きましょうか?週末は空いていますか?」とお誘いをくださいました。
私は、「良かったら庭園でもお散歩しませんか?ただ、今週末は別の予定があるので来週でお願いしたいです」と答えました。この時、お相手の表情が僅かに曇りました。
微妙な間があった後、「いいですね、じゃあ、来週の日曜で」と、おっしゃいました。
ちょっと気まずくなった帰り道
「今、何人位とやりとりしてますか?」
歩きながら、ダイレクトに質問されました。
「これまでDさんの他に、2人、お会いしました」
「その方たちとは続いていますか?」
「続いているという状態と言えるのかどうか…こちらからは特には何も」
本当はこの時点で5人以上と会っていて、控えている初回デートも同じ数位ありましたが、そう答えました。
「凄いな。僕はかけもちとか無理だから、1人に集中して会っています」
私は「ありがとうございます。Dさんみたいな方にそんな対応してもらえるなんて嬉しいです」と答えました。
Dさんはそれ以上突っ込んでは来ませんでした。
Dさんとの最後の逢瀬:庭園でお散歩
3回目のデートは、浜離宮の庭園に行きました。
良い天気に恵まれ、ゆっくりとお散歩することができました。
穏やかな景色の中、お互い心もほぐれて、これまで以上に自然体で話が出来、これまでの彼との時間で一番楽しいと感じられるデートとなりました。
そんな中、事態は急変します。
2人の分かれ道
「今日は、さかなさんに言わなきゃならないことがあります」
一通り回って、ベンチに座って休んでいる時、Dさんが改まっておっしゃいました。
そう口にした彼の表情が急に冴えなくなったこと、私が過去にAさんの流れを経験していたこともあり、これから起こることが、何となく想像できました。
「僕は、さかなさんと会うのはこれで最後にしようと思っています」
彼は続けました。
「これは僕の個人的な拘りなのかもしれませんが、1人と向き合って、答えが出るまでその人とだけ続けていきたいと考えています。同時並行で何人かと続けていくのは、するのもされるのも嫌なんです。しかし、さかなさんはそうは考えていらっしゃらないようなので、このまま続けていくのは厳しい。でも、僕の考えを押し付けるつもりはないので、これで最後にしようと思いました」
「…」
私は10秒くらい沈黙しました。
そして、
「わかりました」
と一言答えました。
そうしましたらば、Dさんは明らかに驚いた顔をしました。
この反応は全くの予想外で、私もまた驚きました。
Dさんは動揺した様子を見せながらも、「勝手なことを言ってすいません」と私に言い、「今話した通り、僕は1人に集中するタイプの人間なので、メールも今後しませんし、今日で最後にしてもらえたらと思います」と続けました。
彼の声色は強く、やや攻撃的に感じられました。
私は落ち着いて、『あなたの意思を尊重し受け入れます』という気持ちをお渡しできるように、「はい。それぞれの考えがありますので、仕方ないですよね」と答えました。
その回答に、今度はまるで自分が振られたかのように傷ついた顔をして私から目をそらしました。
(あれ?もしかして、私が「Dさんだけにするから続行してください」って言う流れに持っていきたかった?)
当時思わずそんな邪推をしてしまったくらい、彼のリアクションは不可思議に思えました。
…今思い返せば、そんな私の想像は思い上がりで、彼が多分2回目デートの後から一週間悩み通して出た結果を、私がろくに悩みもせず簡単に受け入れてしまったためなのだと想像できます。
私との今後を真剣に考えてくださった上での葛藤でもあったはずなのに、私はそのことについて、しっかり察することが出来ずにいました。
このことを恥じる一方で、しかしながら今でも変わらない思いもあります。
それは、婚活は「幸せな結婚生活が送れる相手」を探すためのものであり、それが叶う相手かを最終判断するには、2、3回の逢瀬ではあまりに少ないこと。
そうである以上、「女性の市場価値や、妊娠出産をライフプランとして考えた際に残された時間」という現実的問題を考えた時、Dさんの説く「常に1対1でのお相手探し」は、あまりにリスクが大きいということです。
相手が私一人を見て下さっているのに、それを知りながら、何人ものお相手を掛け持ちしている私は、フェアではないと思います。
ですから、彼がそんな私に対して「NO」を突きつけたのは理解できます。
しかしながら、婚活において、年齢が成否に影響するのが間違いない事実である以上、「1対1」を主義とするのは配慮に欠けた行為であると思わざるを得ません。
「その主張は、25歳男性で婚活をしているあなたのように、時間を気にせずに婚活出来る人にしか通用しない考えだよ」
そう感じてしまったことも、やむを得ぬことだったと今でも思っています。
Dさんとの今生の別れ
駅で最後のサヨナラをする時、Dさんはこうおっしゃいました。
「うーん、これで最後っていうのはつらいなあ…」
私は困り顔をしながらこう答えました。
「Dさんが私を振ったんですよ(笑)」
彼は苦笑しながら、
「だけど、メール位なら、友達として、別に良い気がしてきました」
なんておっしゃいました。
…Dさんはきっと本当に優しい人なのだと思います。
しかしここは僭越ながらちょっとお姉さんになって、私はこう答えました。
「Dさんには、この先素敵な女性が現れます。その時、婚活で知り合った他の女性の存在があったら彼女は悲しみます。…ここで、さよならです」
彼は私の言葉を受け止め、考え、小さくうなずきました。
「わかりました」
私たちは別々の方向に歩き始めました。
私は振り返りませんでした。
多分、Dさんも振り返らなかったと思います。
結婚して今思うこと
ご縁には、タイミングや巡りあわせがあるということを、自身の婚活時代を思い返して良く感じます。
もし、Dさんと婚活後半で出会っていたら、2回目のデートの帰り道に、私は違う回答をしたと思います。
同じようなシーンで、私は主人に違う回答をしました、そのお蔭で今があるのかもしれません。
主人にした回答をDさんにしていたら、それがその後の流れを、ひいては今の私の環境を変えることになったかもしれません。
あれから6年が経ちますが、Dさんはまず間違いなく、素敵な女性と優しさに満ちた幸せな家庭を築いていると思います。
次回「親からのお見合い話で「結局、女性は顔か」と感じた話」に続きます。