結婚相談所を選ぶ際、成婚率を判断材料の一つになさる人がいらっしゃいます。
高い成婚率を謳っている結婚相談所を見ると「こんなに結婚できている相談所なら私(俺)も結婚できそう」と思いがちですが、5年以上婚活サポートをしてきた身としてお伝えするなら、成婚率は結婚相談所の「運営体制」への信頼性を計る指針にはなっても、あなたが結婚できる確率が高い相談所かどうかを計る指針にはなりません。
何故なら、
- 成婚率の計算式は統一されておらず、各結婚相談所で算出方法が違っているので優越を比較できない
- 成婚率は登録している会員の市場価値に大きく左右される
からです。
本記事ではまず成婚率の算出方法をご案内し、「代表的な各大手結婚相談所が公開している成婚率と、各社同じ計算式で算出した場合の成婚率比較」をします。
次いで「登録している会員によって成婚率が変わる理由」をお伝えし、最後に成婚率と合わせて結婚選びの判断材料にすべき点をご案内いたします。
本記事が、「あなたが結婚しやすい結婚相談所」選びの参考となれば幸いです。
結婚相談所の成婚率の定義と算出方法
成婚率は、各結婚相談所で算定法が違っていて結構カオスです。
A成婚退会者数÷年間在籍会員数
B成婚退会者数÷退会者数
C成婚退会者数÷入会者数例:年間在籍会員数3万人、1年内の入会者数3千人、退会者数5千人、成婚退会者数2千人の場合
A6%
B40%
C66%#それでも婚活サイト等よりは抜群に確率が高い— さかな@婚活サポートのお姉さん(結婚相談所代表) (@sakananoblog) January 7, 2019
以前ツイッターでもお伝えしましたが、成婚率の算定方法は結婚相談所各社で違っています。
- 年間の成婚退会者数÷年間の在籍会員数
- 年間の成婚退会者数÷年間の退会者数
- 年間の成婚退会者数÷年間の入会者数
これを分かりやすく予備校で例えてみます。
1は、全予備校生のうち、受験に合格して予備校をやめた人の割合。
2は、予備校をやめた人のうち、受験に合格して予備校をやめた人の割合(在校生は計算式に含まれない)。
3は、その年に予備校に入った人と、その年に合格して予備校をやめた人を比べた式(今年以前から在校していた合格者も含む)。
年間在籍会員数3万人、1年内の入会者数3,000人、退会者数5,000人、うち成婚退会者数2,000人の場合を各計算式に当てはめてみますと、
1で計算すると成婚率は6%、
2で計算すると成婚率は40%、
3で計算すると成婚率は66%になります。
算出方法が違うとこれほどに成婚率が変わります。
大手結婚相談所は1(年間の成婚退会者数÷年間の在籍会員数)で算出している場合が多く、稀に2や3で計算している結婚相談所があります。
個人経営の相談所の中には、「たまたま成婚者が多く出た月の退会者数÷入会数」を発表している相談所もあるそうで、現状はなかなかにカオスという話も聞きます。
ご参考⇒個人結婚相談所のリスク
それでは実際に、大手結婚相談所の公表の成婚率と、各社同じ計算式で算出した場合の成婚率を比較していきましょう。
大手結婚相談所の成婚率を比較
まずは各結婚相談所が公表している成婚率を掲載します。
2019年2月現在、公式HP発表の情報を掲載しました。
大手結婚相談所が公表している成婚率で比較
【各結婚相談所の成婚率 公式発表】
結婚相談所 | 成婚率 | 計算式 |
---|---|---|
ツヴァイ | 18% | 年間の成婚退会者数÷年間の在籍会員数 ※公式は実数掲載のみのため「1」にて計算 |
オーネット | 24% | 年間の成婚退会者数÷年間の在籍会員数 ※公式は実数掲載のみのため「1」にて計算 |
パートナーエージェント | 27.2% | 年間の成婚退会者数÷年間の在籍会員数 ※正確には在籍平均会員数。 |
IBJメンバーズ | 51.5% | 半年間の成婚退会者数÷半年間の退会者数 |
ゼクシィ縁結びエージェント | 25% | 公式非掲載・計算式不明。(詳細後述) |
※全社「会員同士外の退会者数」も含めて実績を発表しているため、会員同士外の成婚退会も成婚に含めて算出しています。
大手結婚相談所の成婚率を同じ計算式で比較
続いて、全社「年間の成婚退会者数÷年間の在籍会員数」に統一して算出します。
【各結婚相談所の成婚率 計算式統一】
結婚相談所 | 成婚率 | 年間成婚者/年間在籍会員 |
---|---|---|
ツヴァイ | 18% | 5,259/29,236人 |
オーネット | 24% | 12,022/49,343人 |
パートナーエージェント | 27.2% | 3,264/11,985人 |
IBJメンバーズ | 24% | 1,269/5,135人 |
ゼクシィ縁結びエージェント | 4% | ?/8,700人(推定・詳細後述) |
このような結果となりました。
実はもう一つ、取り上げねばならない問題があります。
それは、「成婚の定義も各結婚相談所によって違う」ということです。
これから、各結婚相談所の計算式を統一した成婚率のおさらいと、「成婚」の定義について詳しくお伝えします。
ツヴァイの成婚率は18%
ツヴァイでは「成婚数」のみを公表し、「成婚率」を掲載していませんが、計算すると18%になります。
成婚実績として、1日あたり14人、年間で5,259人がご成婚退会していること、成婚者の平均入会期間が8ヶ月、「出会う」ための活動期間が4ヶ月と表記しています。
ツヴァイの成婚の定義
公式HPに、「ツヴァイの成婚退会とは、交際・婚約・結婚(会員同士・会員外含む)を理由に退会届を当社に提出されること」と記載されています。
「交際事由での退会」も含まれることを考えますと、成婚の定義は他の結婚相談所と比べて甘い印象です。
オーネットの成婚率は24%
オーネットでは「成婚数」のみを公表し、「成婚率」を掲載していません。その理由として、成婚率の算出方法に業界共通の指標がないから、と言っています。計算すると24%になります。
オーネットの会員同士成婚退会者数は5,990名(2017年実績)、会員外成婚退会者数は5,793名(2017年実績)です。
会員同士に絞って成婚率を算出すると、成婚率は12%となりますが、どの大手結婚相談所も、会員同士のみの成婚率を算出していないため、あまり意味が無い数字かもしれません。
オーネットの成婚の定義
公式HPに、「(オーネットの成婚の定義について)結婚するお相手が見つかったことの届けを当社に提出した人」と記載されています。
婚約という明確な意思表示ではありませんが、ほぼ婚約と同義と解釈できます。
パートナーエージェントの成婚率は27.2%
公式HPのパートナーエージェントの成婚率の算出方法は、年間成婚退会者3264人÷年間平均成婚在籍会員11985人で計算されています。
とても信憑性がある計算式だと個人的に思います。
パートナーエージェントは成婚率NO.1を謳っていますが、確かに、ほぼ同じ計算式で比較しても、明らかに大手最高の成婚率となっています。
パートナーエージェントの成婚の定義
公式HPに、「パートナーエージェントの成婚の定義は、交際中のお二人が結婚の意思を固めて婚活を終了することを意味します。」と記載されています。
ほぼ婚約と同義ですね。
IBJメンバーズの成婚率は24%
IBJ会員数は、全国の連盟下の結婚相談所を合計して6万名を超えていますが、「IBJメンバーズ」の会員数は、IBJの通期決算資料を確認したところ、5,135名でした。(2017年データ)
通期決算資料によるとIBJメンバーズの成婚者数は1,269名(2017年)とのことですので、他結婚相談所と同じ計算式で算出した場合のIBJメンバーズの成婚率は24%となります。
公式HPにIBJメンバーズの成婚率は51.5%と記載されています。この計算式を運営側に確認したところ、「2017年7月~12月の半年間の退会者/退会者」で計算しているとのことでした。
IBJメンバーズの成婚の定義
公式HPに、「IBJメンバーズの成婚の定義は、婚約した時点。IBJメンバーズではきちんとプロポーズをして結婚を約束したお二人を「成婚」と位置づけています。」と記載されています。
窓口に確認したところ、「入籍届の提出までは行っていないが、婚約の意思を確認して退会してもらっている」とのことでしたので、成婚の定義づけがかなりしっかりしている印象です。
ゼクシィ縁結びエージェントの成婚率は4%(推定)
ゼクシィ縁結びエージェントの成婚率は一番闇が深いと感じています。
私は運営と付き合いのある企業から、ゼクシィ縁結びエージェントの成婚率は25%というデータを提示されたことがあります。
また、無料相談に行かれた人が「2015年の運営開始から3年間で2000人が成婚退会したと聞いた」という話をされています。
これほど誇れる数字ならば公式に掲載しない手はないと思うのですが、公式HPに成婚率は「非掲載」です。
ここからは個人の推測になるのですが、実際のゼクシィ縁結びエージェントの成婚率は4%ほどではないか、と考えています。
その理由ですが、ゼクシィ縁結びエージェントは数字を大きく見せるきらいがあり、例えばゼクシィ縁結びエージェントの会員数は8,700人であるのに、提携先のコネクトシップを含めた「23,400人」という数字を「会員数」として宣伝しています。
これを考えますと、この他社利用者含めた「23,400」人中2000人が3年以内に成婚した、と考えるのが真実に近い気がします。3年間の成婚退会者しかわからないため本当に推定の計算となりますが、1年間の成婚退会者をかなり多く見積もって1000人と考えても、統一の計算で算出された成婚率は4%となります。
(あくまで私自身の推定試算です、参考程度に願います)
成婚率を判断材料としてゼクシィ縁結びエージェントの会員になることにメリットはないように思えます。
(ただ、ゼクシィ縁結びエージェントは費用が格安なので、料金の安さ目当てに入会するのはアリだとは思います。)
ゼクシィ縁結びエージェントの成婚の定義
公式HPに、「ゼクシィ縁結びエージェントの成婚の定義は、交際中のおふたりが結婚の意思を固めて婚活を終了すること」と記載されています。
婚約とほぼ同義と考えられます。
結婚相談所の成婚率の高低があなたが成婚できる確率とほぼ関係しない理由
長い検証をご覧くださりありがとうございます。
お疲れのところ「本題はここから」と言うのも忍びないのですが、結婚相談所の成婚率を気にするあなたに一番お伝えしたいこと今からお話していきますね。
成婚率は登録している会員の市場価値に大きく左右される
実は、結婚相談所で成婚される人の多くは、短期間で結婚に至っています。
ツヴァイとIBJメンバーズの例をご覧いただきますと、ご覧のように、ツヴァイは入会後4ヶ月目、IBJメンバーズは入会後5ヶ月目が成婚退会の山となっています。
【ツヴァイ 成婚までの期間】
【IBJメンバーズ 成婚までの期間】
この背景にはご自身の頑張りや担当カウンセラーの努力ももちろんあると思いますが、入会半年にも満たずに誰かの一生の伴侶に選ばれる人は、そもそも婚活のモテポテンシャルが一定水準に達していた、と考えるのが妥当なのではないでしょうか?
例えば男女共に入会審査が厳しいエグゼクティブ系の結婚相談所が高い成婚率を誇るのも、「婚活モテ男女」が会員の大半を占めているから、と捉えることが出来ます。
関連記事:【エリート婚活】エグゼクティブ結婚相談所と普通の相談所の違い。おすすめなのはこんな女性!
つまり、成婚率が高い結婚相談所は、率直な言い方をしますと結婚しやすい会員が多い相談所と言えます。
成婚率が5%を切るとなったら、さすがに運営体制や会員母数が疑わしく感じますが、体感的に「年間の成婚退会者数÷年間の在籍会員数」での算出で10%以上の成婚率ならば、あとは成婚率の高さでの比較をするよりも、あなたとその結婚相談所の相性を考えた方が良い、と私は感じます。
あなたと相性の良い結婚相談所の選び方
個人的見解ですが、大手結婚相談所、特に情報サービス型の相談所は、地域密着型の結婚相談所と比べてサポートは手薄いです。
とは言え、個人の相談所で衝突している事例も私は幾度となく見てきていますので、ウェットであればよい、というものでもないと思えています。
アクティブ派ならオーネットやツヴァイがおすすめ
あなたが「マッチングアプリや婚活サイトも平気で使えるけど、やっぱり結婚に本気で身元が確かな人とだけ出会いたい」とお感じになるなら、オーネットやツヴァイがおすすめです。
この2つで迷われているなら、出会いの種類の豊富さを求めていたり、容姿に自信がある人の場合はオーネットが出会いに至りやすいです。
堅実な職業のお相手と出会いたい、価値観の一致を最重要視したい人は、ツヴァイがおすすめです。
それぞれの特徴を超絶細かくご案内していますので、良ければ下記をご覧くださいね。
仲介希望ならPAやIBJメンバーズ、もしくは個人経営の結婚相談所ががおすすめ
「身元保証されているのはもちろんだけど、第三者をしっかり挟んだ上での出会いでないと不安」という人もいらっしゃいます。
結婚情報サービスの立ち位置であるオーネットやツヴァイよりも、各会員の人柄を担当がしっかり踏まえている相談所で、人づてに紹介してもらうのが安心ならば、仲人型の結婚相談所がおすすめです。
パートナーエージェントは、「チーム婚活」と称し、あなたを多方向からバックアップ、ブラッシュアップしながら成婚を目指せます。
IBJメンバーズは、全国に1800あるIBJ連盟のお手本となる直営ラウンジのため、高品質な仲人サービスが受けられます。
当サイトでは主要都市の地域密着型結婚相談所も、地域別にまとめて掲載しています。
利便性の高い結婚相談所を、ネット検索でかなり細かく調べ上げました。
全国主要都市の結婚相談所
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先述のように、成婚率の高さに安心しすぎずに、ご検討いただけましたら幸いです。
※地域密着型結婚相談所は、公式HP上の情報を記載しています。
サービス内容及び品質についての責任は負いかねますのでご了承願います。
おまけ:結婚相談所を使った方が良いのは本当か
「自然な出会いを待っていたって結婚できない」とあちこちで叫ばれる昨今ですが、本当に結婚相談所を使ったほうが結婚しやすいのでしょうか?
パートナーエージェントが2010年4月~2015年5月までの国勢調査をもとに算出したところによると、全国の成婚率は5.9%、100人に6人も結婚できない世情であることがわかりました。
この中には、結婚する意志がない未婚者も含まれているため、これをそのまま婚活中の男女の成婚率と比較するのには違和感を覚えますが、「いつかは結婚したい」と考えている男女が8割な昨今(ソース:国勢調査)ですので、「結婚したくてもできない人が多い」ことを示すに十分なデータではあると言えそうです。
自然な出会いからは結婚しずらい、となった時、検討するのは「知人の紹介」「合コン」「マッチングアプリ」「婚活パーティー」「婚活サイト」「結婚相談所」ですが、この中で平均1年以内に成婚に至れる確率を考えると、データ的に圧倒的に結婚相談所に軍配が挙がります。
時間は砂時計です。ご自身と時間の相談をされた上でご決断いただきたい次第です。