収入は無限ではありません。
上限ある収入を生活費にどれだけ割くか、どの項目に重きを置くかという問題は、互いの生活満足度に大きく影響します。
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相手の実家の衣食住について探る必要性
大抵の方は、生まれてから少なくとも15年以上は、親元で育ってきたことと思います。
幼少から培った長年のライフスタイルは、衣食住のあり方、それらへのお金のかけ方においても、本人の物差しとなっている場合が多いのではないでしょうか。
私の話で恐縮ですが、幼少期、我が家は貧しいながら、非常にエンゲル係数が高い家庭でした。
家族旅行は人生で一回きり、衣服についても必要最低限で私は長女ながらどこぞやから頂いたお古を着ていたこともありました。シャンプーや母親の化粧品もスーパーの安売り品でした。
が、何故か食事に関してだけはかなりのこだわりようで、毎日妥協の無い料理が食卓に並んでいました。
そのような家庭環境で育った私は、今でもハンバーグにお豆腐を混ぜてカサ増ししたり、お肉の部位を安い部位で代用した料理を作るのには抵抗があったりします。
今はお仕事を頑張ってくれている主人のおかげで、衣も住も不満の無い生活をさせてもらっていますが、根本にある価値観としては、
食>住>衣
であり、毎日の食の質を低下させてまで、住や衣を充実させたいとは思えません。
トイレットペーパーはダブルロールの香り付きでなくても、柔軟剤を使わないようにしてでも、ホットケーキミックスはホテルニューオータニが良いのです。
このお話から何が言えるのかと言いますと、
「子供時代からお金を掛ける、もしくは重要視するのが当たり前だった部分」を、結婚後に「お金をかけない、重要視しない」で生活を送るのは、ストレスとなる場合が多いということです。
一人暮らしをしていて、現在はそれを踏襲した生活をしていなかったとしても、結婚後の生活の模範となるのは、自分が生まれ育った家庭です。(実家に対し嫌悪感がある場合を除く)
「コンビニ食や吉野家、マックも好き」と言い、そればかり食べている人だからと言って、「この人は食については適当で良い人なんだな」と思い込むのは早計です。
結婚後食卓に出来合い品やレトルトが並んだら、「は?なんで結婚してまでレトルト食べなくちゃならないわけ!?実家ではこんなの出てきたことなんて無かったのに!」となる可能性も十分考えられるのです。
ですので、衣食住についてはそれぞれ、実家がどの程度のことをしてくれていたかを確認しておくことが大切です。
その際、同時に「それについてどう感じていたか」も確認しておく必要があります。
中には、「毎日のご飯だけでなく、お菓子まで手作り以外は食べさせてもらえなかった。それがずっと嫌だったから、独立してからは反動でファーストフードばかり食べるようになった」というような方もいらっしゃるからです。そういった方は、結婚後も気兼ねなくカップラーメンやコンビニのホットフードを食べ続けたいと考えているかもしれません。
衣食住のお金の掛け方から相手との相性を探る
婚活をされている方の中には、
「食にこだわりが無い、腹が膨れれば何でも良い。食費は最低限にしてその分家賃へ回したい。少しでもグレードが高めの家に住み、家具にもこだわりたい」
と考えていらっしゃる方もいると思います。
先述した通り、私は食に対してのこだわりがそれなりにある人間なのですが、例えば私が上記の方と結婚し毎日を過ごしたとして、満足度の高い日々が送れますでしょうか。
上記のような考えの方と結婚したら、私は毎日の食事の用意と食事の時間を苦痛に感じてしまうと思います。お相手は、口に入れば料理なんて何でも良い人で、食にお金を掛けたくない人なのです。一生懸命に美味しいご飯を作っても、喜んで貰えないかもしれませんし、常に節約を意識して料理を作らねばならないことは、ストレスにもなってくると思います。
そう考えますと、上記の方よりも、
「食事は大事。ご飯を食べている時に幸せを感じる。あとはまあ、それなりで」と思っている方と結婚した方が、楽しい毎日を過ごせそうです。
こういった方でしたら、美味しい料理を提供できた時は、喜んで下さりそうですし、こだわってお料理を作ることや、少し値が張っても最適な食材を使うことに理解を示してもらえそうです。(手抜きしたら怒られそうですが)
実際には食事だけでなく、色々なバランスが絡んできますのでこのように単純明快には行かないとは思います。が、 少なくともお相手候補達の衣食住の価値観を知ることで、結婚後にどのような日常生活が待っているのかを、イメージし易くはなると思います。
お金を掛けたい、重要視したいと考える部分が似ていて、且つその点であなたが良いサポートが出来そうなお相手がいたとしたら、その方との相性は特に優れていると考えられます。
余談ですが、私の場合は専業主婦になることを前提として婚活をしていましたので、衣食住に対しての価値観の一致は特に重要視しました。何故なら、日々のご奉仕で相手に喜んで貰えないと、自分自身の存在意義が感じにくい結婚生活になってしまうと思ったからです。
ですので、専業主婦を希望されていらっしゃる方は、ご自身が提供できることと、お相手が求めていることの一致についてしっかり意識しつつお相手探しをして頂けたらと思います。
食以外の例
お話が「食」に偏り過ぎてしまったので、他の例も少し出させて頂きます。
「住」についての話となりますが、 消耗品や水道光熱の使用について、実家で節制を叩きこまれた人と、実家で思うがままに使用してきた人が結婚したら、下記のようなすれ違いを起こす可能性があります。
「なんで家の箱ティッシュが全部鼻セレブなの?鼻セレブいくらするかわかってる!?1箱274円だよ!?5箱298円の激安ティッシュでいいじゃん!そんなところにお金かけないでよ。しかもなんで1度に3枚も取るわけ!?それ今無意識で3枚取ったよね、1枚でいけるでしょうが!ちゃんと考えて取ろうよ勿体無い!どんだけ浪費家なんだよ!」
「いやいや、こういう箱ティッシュの1つにさえ妥協しない生活、一度に取る枚数にこだわらない生活こそ、心が豊かでいられる生活なの。ていうかいちいち細かいことで怒らないでよ、うちの実家なんて皆、トイレットペーパーを1回で2m使うからね、これは伝統だよ伝統。文句があるなら実家に言ってよ」
やはり「長年のうちに染み付いた感覚」の影響は強いです。
「実家では車は5年で新車に買い換えていた。それが普通だと思っているし、そうしたい」
「寒くても限界まで暖房機器は使わない。重ね着すれば暖かかったし、それに慣れている」
「家の中にいる時は誰に何を見せるわけでもないし、お金を掛けない暮らしだったな。でも衣服はそれなりに上質なものを着ていた」
「実家は至って普通の家庭だったけど、自分は何より趣味が大事。生活費は最低限でいい。とにかく自由に使えるお金を確保したい」
衣食住の価値観の相性については、確認しようと思えば質問事項は無限に出てくることと思います。
が、結婚後に衝突が多くなるかどうかの判断は、それぞれが良しとする衣食住への「お金の掛け方」を知ることで、ある程度判断できると私は考えています。
但し、今回ご案内した内容と、次回にお話します「父母の役割とパワーバランスについて」、この2つに関しては、実際にお相手のご実家に伺い、ご両親とその住まいの有り様を把握するまでは確信出来ない部分もあります。
ですので、お相手と交際へ発展したら、早めにまずはお相手のご両親宅へご挨拶に行かれることをさかなはおすすめします。
それでは今回はこれで失礼します。
また次回の婚活実践講座お会いしましょう。